就労移行支援とは
障害者総合支援に定められている、障害者の方の就労をサポートする福祉サービスには、就労移行支援と就労継続支援の2つがあります。
就労移行支援とは、一般企業などへの就職を目指す障害のある18歳~65歳未満の方を対象にし、職業訓練や就職先を探したり、就職後の職場への定着の支援をしてもらえます。
就労移行支援の事業者数は3,332事業所で、利用者数は33,951人(国保連データ平成29年7月)となっています。
就労継続支援とは
就労継続支援は、一般企業への就職が困難な方に働く場を提供するサービスです。
その就労継続支援にも、雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型」と雇用契約を結ばない「就労継続支援B型」があります。
就労移行支援と就労継続支援の違い
就労移行支援は、一般企業などで働けるように知識やスキルを身に付けるなど、就職できるよう訓練する場であるのに対し、就労継続支援は、働く場を提供する支援ですが、就職率は落ちるものの一般就労も可能です。
就労移行支援の対象者
就労移行支援を利用したい場合は、3つの条件を満たしている方が対象となります。
・企業などでの就労や開業を希望する方で、就労が可能と見込まれる方
・身体障害・知的障害・精神障害・難病のある方
・原則18歳から65歳未満の方
障害者手帳がなくても、医師の判断や定期的な通院、自治体の判断によって入所が可能な場合があります。
利用期間
就労移行支援の利用期間は2年間です。
但し、自治体に必要性が認められると、最大1年間延長されることがあります。
職業定着支援は利用期間には含まれません。
利用料金
障害福祉サービスの利用料金はサービス提供費の1割を上限として、負担の上限額が設けられていますが、利用料金はほとんどの人がかかっていません。
利用者負担に関する表を参考までに載せておきます。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村 民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。 |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
(厚生労働省ホームページー障害者の利用者負担より引用)
工賃
就労するために必要な力を身に付けることを目的としているため、訓練中の作業は働いているのではなく学んでいると考えます。
そのため雇用契約がなく、一般企業での実習以外は工賃は支払われません。
就労移行支援のサービスの内容は?
個別支援計画
就労移行支援のサービスを行う事務所では、利用者との面談などを行い、その人の体調や能力、今後どうしたいかなどを把握し、それぞれの利用者ごとに支援計画を作成し、その人に合った支援を実施していきます。
職業訓練
事務所に通所し、就労に必要な能力や知識を身に付けるため、それぞれの利用者に合わせたプログラムに参加します。
事務所内で作業したり、実際に職場体験をする場合もありプログラムは多岐にわたります。
プログラムは事務所ごとに異なるので、実際に見学をしてから決めたほうがよいでしょう。
職業定着支援
企業から内定をもらい、就職すると仕事や人間関係などいろいろな不安が出てくる可能性があります。
そういったときに事務所のスタッフが職場を訪問して、企業と利用者の間に入り、長く働ける環境を作ります。
例えば、体調の不安をなかなか伝えられないとき、代わりに伝えてもらうことができます。